美しい肌と酸素の関係の研究

イプサでは、
「細胞が良い状態で新しい細胞に生まれ変わる仕組み」
の研究を続けています。

細胞に必要な酸素に着目

美しい肌を生み出すには、肌をつくる細胞そのものが良い状態で新しい細胞に生まれ変わっていることが大切。その生まれ変わりにはエネルギーが不可欠です。細胞が作り出すエネルギーは、細胞の状態によって異なるのではないか?これに気が付いたのは、メタボリズム研究を進める中で、エネルギーを作り出すために必要な酸素を取り込む力に着目したときでした。

細胞に必要な酸素が
適切に存在せず活用できていない状態

  1. 十分な酸素がない
  2. 十分なエネルギーや良質な細胞の成熟に必要な
    因子を産生することができない
  3. 細胞が良い状態で成熟することができない

細胞に酸素が
適切に存在し活用できている状態

  1. 十分な酸素がある
  2. 酸素を活用して十分なエネルギーや細胞の成熟に
    必要な因子をたっぷりと産生できる
  3. 細胞が良い状態で生まれ変わることができる

低酸素と通常の酸素状態における
酸素イメージング

低酸素状態と通常の酸素状態の表皮の細胞の画像

酸素分子と衝突することで消光する化合物*を皮膚細胞に取り込ませたのち、皮膚細胞内で化合物が光っている時間を顕微鏡で測定し、それを酸素濃度に変換することで可視化(イメージング)を行うことに成功しました。
左の低酸素状態の画像では、細胞の周辺環境に酸素が少ないと、細胞内の酸素も少なくなってしまうことが確認できます。細胞の周辺環境に酸素が多いほど、細胞内の酸素も多く存在することが右の画像で確認できます。

*群馬大学大学院 理工学府 分子科学部門
吉原 利忠先生開発

酸素が肌にもたらすこと

細胞に必要な酸素が
適切に存在せず
活用できていない状態
メタボリズムが
整っていない

細胞に酸素が
適切に存在し
活用できている状態
メタボリズムが
整っている

※破線を左右に動かすと図が切り替えられます。

酸素がもたらすのは、うるおいとハリがあり、悩みが出にくい肌状態。

肌が良い状態で美しい肌に生まれ変わるためには、肌の細胞が正しく成熟し続けることが大切。内外ダメージで失った美しい肌に必要な因子をそのたびに補うよりも、細胞の生まれ変わりに必要なエネルギー・美しい肌に必要な因子を生み出す原動力ともなる酸素を取り込むことこそ、根本的に美しい肌をうみだすための最適なアプローチだと考えました。

呼吸で取り込んだ酸素を
細胞に取り込んで活用するには

わたしたち人間が空気を吸ったり吐いたりして、生物学用語で「肺呼吸」と呼ばれる生命活動を維持しているように、細胞でも呼吸が行われています。これを「細胞呼吸」と呼びます。血液によって運ばれてきた酸素を細胞内に取り込んで活用し、細胞活動に必要なエネルギーをつくり、成熟に必要な因子を生み出します。つまり、酸素が細胞内に多く取りこまれることで、細胞内で美肌に必要な因子が多く生みだされるということ。酸素が適切に存在していない細胞では、細胞がうまく成熟することができないのです。

美しい肌を生み出す酸素状態とは

美しい肌を生み出すために適した酸素状態を目指すには、酸素を取り込む力と、酸素活用力を高めることが重要です。

酸素取り込み力と酸素活用力への対応

イプサで研究中の成分が、細胞の酸素取り込み力を高めることがわかっています。

有意差あり

酸素をしっかり取り込んだら、エネルギーを産生できるように酸素を活用することが重要です。

しかし、酸素活用力は、紫外線や大気汚染といった外部ダメージを受けると低下してしまいます。

〈紫外線による酸素活用力の低下〉

〈大気汚染物質による酸素活用力の低下〉

イプサで研究中の成分が、外部ダメージを受けても酸素活用力が低下しないことを発見しました。

〈紫外線ダメージを与えた時の酸素活用力〉

〈大気汚染物質ダメージを与えた時の酸素活用力〉

酸素とうるおいに満ちた透明感の関係

肌に酸素が適切に存在することが、表皮細胞の成熟に重要であることもわかりました。細胞が良い状態で成熟すると肌の水分量が高まることが分かっています。肌の水分量を高めるためには細胞の成熟を促すことが重要です。

〈低酸素状態での培養〉

フィラグリンの発現が少ない

〈通常の酸素状態での培養〉

フィラグリンの発現が多い

*フィラグリンとは、細胞が良い状態に成熟するために必要な因子のひとつ。
表皮の細胞成熟には、酸素が適切に存在することが重要です。

研究により、角層水分量が透明感の高い肌に重要な要素のひとつであることがわかりました。


〈イメージ〉

イプサで研究中の成分には、うるおいを保持するNMF(肌の天然保湿因子)の材料となる
たんぱく質であるフィラグリンの発現を促進する効果があることを発見しました。

〈フィラグリン発現促進効果〉

一人ひとり異なる肌の酸素状態

肌の酸素状態は、その人それぞれの体質によっても異なり、個人差があることが分かっています。
その人が持つ酸素状態に適した対応をすることが、酸素を活用したエネルギー産生を高め、メタボリズムを整えるためには重要です。
長年の研究を応用し、肌測定機器イプサライザーで2種類の「肌酸素型」を可視化することに成功しました。

「肌の酸素量が多い状態の肌」に必要な対応

  • 細胞の
    酸素取り込み力と
    酸素活用力の強化
  • エネルギーの
    材料補給

肌の酸素量が多い状態の肌は、酸素をうまく活用できるよう、細胞内に酸素をきちんと取り込むことが必要です。
また、たくさんの酸素を細胞に取り込むと、エネルギーの材料の消費量が多くなりやすいため、エネルギーの材料源が十分に存在することが重要になります。

「肌の酸素量が少ない状態の肌」に必要な対応

  • 細胞の酸素取り込み力と
    酸素活用力の強化
  • 血管機能の
    強化
  • 細胞活力の
    向上

肌の酸素量が少ない状態の肌は、細胞に取り込める酸素の量が少ない場合、エネルギー産生が少なくなりがちです。
まずは細胞内に酸素をきちんと取り込み、さらに酸素の供給ルートである「血管機能」を強化することが重要です。
また、エネルギー産生を高めるために、細胞活力を向上させることも有効です。

一人ひとりの肌が持つ可能性を引きだし、その力を発揮させることで、その人だけの美しさが生まれ、持続する。そのためにイプサは、細胞と美肌の関係をこれからも研究し続けます。